「金は天下の回りもの」システムの崩壊
昔、ぼくらがケチったお金はどこに行くのだろう - 練習帳と言うエントリを書いた。
その時はなんとなく、「金の行き先は株主? しかも外国人?」とか思っていたが、実態はもっとひどいという記事が出ていた。
曰く
例えば、2001年度から2005年度にかけての「雇用者報酬」の推移を見ると、8兆5163億円も減少している。ところが、企業の利益に相当する「営業余剰」は、逆に10兆1509億円も増えているのだ。
は?
一つは株主である。財務省が発表している「法人企業統計」でみると、2001年度から2005年度までの4年間で、企業が払った配当金は3倍に増えている。
これは、まあ予想通りだが・・・。
この二つのデータを合わせると、2001年度から2006年度の5年分で、大企業の役員報酬は倍増している計算になる。具体的な額として、日経新聞には、今年の1人あたりの役員報酬は平均6000万円と記されていた。
これはびっくり。なんじゃこりゃ。
「貢献に見合った報酬を受け取るのは当然」と言うのはわからなくもないが、
これはあまりにもひどい。これこそまさに「お手盛り」ではないか。非正社員を増やして給料を下げておき、自分たちの給料を5年で倍増させているのである。
要するに、大企業の役員たちは、消費者のことも、従業員のことも考えていないのだ。彼らは、景気拡大や構造改革を、自分たちの給料を増やすチャンスとしかとらえていないのである。
といわれても、仕方がない行動だ。大企業の役員の方々は誰のおかげでその貢献ができているかよーーく考えた方がいい。
さらにこんな記事もある
株主も役員も、国際競争力と言う面ではちゃんと仕事をしてないんじゃないの?
まあ、森永 卓郎氏のおかげで、金の行き先はよくわかった。しかし、ここでさらに疑問。外国人投資家はともかくとして、日本人の高額所得者はどこで金を使っているんだろう。
バブルのころは、羽振りのいい客がたくさんいて、いろいろな所に金が回っていたのだが最近はあまりそういう話は聞かない。
まさか、
みたいな生活で、日本経済に全く貢献していないのか? だったら、
格差是正とか富の再配分以前に、「金は天下の回りもの」と言うシステムが、ほかのいろいろと同様「近代化の終わり」とともに崩壊してしまっているような気がする。