練習帳@blog

これからは写真中心で行きたい

経済学者はなぜニセ経済学と真摯に戦おうとしないのだろう。

うーーん。あまりそんな風に思いたくはないんだが、池田氏も「実態=実感」系の人なんだろうか?

山形浩生氏との訳のわからない「生産性論争」も、ようやく終結したようだ。前の記事には「学部生向けの経済学Iの内容がここまでも世間では理解されていないということに衝撃を受けています」という経済学者のコメントが来たが、私も同感だ。経済学ってつくづくマイナーな学問なんだな・・・

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/b697e23a80b6602167c2f5e43ebad041

俺自身が理系だから公平ではないかもしれないが、この一文に山形氏と議論がぜんぜんかみ合わないわけ、経済学がマイナーな理由が見えるような気がする。



山形氏の主張を「ニセ経済学」、池田氏が正統な経済学者だという前提で、上記エントリと「ニセ科学入門」や「「水からの伝言」を信じないでください」を見比べて欲しい。

「池田氏が菊池氏のように正しい経済学の普及に努力すべき」と言いたいわけじゃない。そういう姿勢の問題以外のもっと根本的な部分が違っていると感じるのは俺だけか?

「経済学はファンタジーだ」「数100年遅れている」「亀甲占いと一緒」などと揶揄されるのは、経済学がマイナーだから?

「学部生向けの経済学Iの内容がここまでも世間では理解されていない」のもマイナーだから?

「経済学者は実業についたことがないから役に立たない」といわれたり逆に「経済学について経営者になら当然すぎることも、経営者以外にはわからない」といわれたりするのも?

こういう経済学に対する悪評の多くが「経済学の不人気」ではなく、菊池氏との間にある根源的な違いに由来しているような気がする。




言葉の定義も、モデル(理論)の成立条件も、実態の観測結果のモデルへのフィードバックも、科学の分野では当たり前の諸々がすっぽり抜け落ちてないか?

実態とモデル(理論)が一致しない」という感覚に対して、ロクにデータも示さずに「市場が不完全だから」とか「経済学Iを勉強すべき」などといって門前払いを食らわすというのは、良くないんじゃないかなぁ。

「その実態は、このモデルのある条件の場合によく一致しています」とか「その実態については現在のモデルでは説明できていません」とかそういう話をあまり聞いたことがないんだよなぁ。あ、それが「経済学I」に書いてあるの?


なんとなく「水からの伝言」風味なんだよなぁ。



山形氏の言説が「経済学的に正しい」かどうかはわからないが、「科学的なアプローチ」という面で、俺には山形氏の方がより誠実に見える。


悪魔の詭弁術を使って山形氏を擁護したいわけでも、「俺って理学士だぜ、すごいだろ」とか自慢したいわけでもなく、ただなんとなく気になったことを書いてみた。



あわてて追記

こんなにブクマされると思わなかったのであわてて追記。

経済学の分野にも真摯に対応してくれる人はいます。

きっと他にもたくさんいると思うけど、とりあえず俺がブクマした分だけは追記しておく。

トラックバックいただいた、id:buyobuyoさんの問題提起については、別エントリで。