プライスコレクション 「若冲と江戸絵画」展を見に行った
昨日は会社をサボって、夏休み中の子供と嫁さんとで若冲(←なぜか一発変換)の絵を国立博物館まで見に行った。
子供は、映画*1が見たかったらしい。
ものすごい量だった。あんなにたくさん江戸時代の絵を見たのは初めてだ。
まずトラ。江戸時代の日本にはトラがいなかったので、みんな結構いい加減な絵を描いている。それ以外の絵はものすごく写実的、あるいは理にかなったデフォルメされているのに、トラの顔がいろいろでなかなか楽しいものになっていた
体毛の質感や色合いがかなり忠実な絵もあったが、顔はだめだった。たぶん毛皮はあったけど剥製はなかったんだろうなぁ。
プライス氏はそこが好きなようだ
うちの子供は、この幽霊画*2がとても怖かったようで、その絵の近くではずっと俺にしがみついていた。その後も、その絵の話をしただけでガクブルしてておかしかった。この絵を見せれただけでも半ば無理やりつれてきた甲斐があったというものだ。
一通り見て感じたこと。人間の中身は200年やそこらじゃぜんぜん変わらないんだなぁということ。
表現技法や画材はいろいろ変わってきているけど、表現したいもの・イメージというものは、それほど変わっていないんだなぁと。
- 「http://d.hatena.ne.jp/jakuchu/20060529/p2」をみて子供が「おしゃれ魔女アブandチェンジ」といっていた。
- 「http://d.hatena.ne.jp/jakuchu/20060511/p1」が、18世紀の作品だなんて。
- ピクサーのCGのような毛の質感、現代の漫画・アニメを思わせるデフォルメ、プロレスのポスターのような三十六歌仙の絵。
「古くて新しい」わけではなくて、人間が表現したいと切望する「形」が、200年くらいでは全く揺らいでいないということなんだと思った*3。
コンピュータの発達で俺たちはたくさんのツールを手に入れた。テクニック的には若冲の技法を会得するのはさほど難しくはないだろう。
だが、その「高速道路」の先には、たった200年前の絵画が表現できたものにたどり着くのでさえ、遠く険しい道が残っている。
そうじゃなくっちゃ人生楽しくないよな。
追記。
平日なのにかなり混んでいた会場で、どっかのおばちゃんの発言
「こっちの絵は、周り*4が豪華ねぇ」
バカ。絵を見ろ、絵を。絵を見ないなら帰れ。